1.韓国の不動産登記制度

韓国の不動産登記制度の概要は以下のとおりです。

土地・不動産の所有権
i)韓国の「民法」99 条は土地及びその定着物を不動産と規定し、建物、立木に関する法律により所有権保存登記をなした立木、慣習法上の公示方法を有する樹木の集団又は未分離果実、農作物は土地とは別個の独立の不動産とされる。
ii)土地を使用・収益及び処分する権利には、所有権のほか、占有権、地上権、地役権、チョンセ権(伝貰権)、留置権、質権、抵当権の物権がある。
iii)伝貰権の存続期間について、最短存続期間の規定がなく、最長存続期間の規定だけが設けられているが、それも10年に制限され、当事者の約定期間が10年を超える時は、これが10年に短縮される。ただし、建物に関する伝貰権の存続期間を1年未満と定めた時、これは1年とされる。
iv)賃貸人は、賃借人が義務違反をしない限り、その者の意思に反して賃貸借契約を解約するか、または期間更新請求を拒むことはできない。
v)賃貸住宅の契約期間は定期借家で2年が一般的であり、契約終了時に、貸主の合意があれば、借主は期間を延長できる。
土地・不動産の登記

登記義務制は、1990 年 8 月 1 日に制定された「不動産登記特別措置法」により導入された。これにより、不動産の所有権移転を内容とする契約を締結した者は、その契約が双務契約(例、売買)である場合には、反対給付の履行が完了した日から、その契約が片務契約(例、贈与)である場合には、その契約の効力が発生した日からそれぞれ 60 日以内に所有権移転登記を申請するよう義務付けられた。

「不動産登記特別措置法」は、登記義務制と検印契約書制のみを規定し、1995 年 3 月 30 日に制定された「不動産実権利者名義登記に関する法律」は、不動産実名制を規定することにより、両者は機能分担している。

また、実取引価格の登記簿記載が、2005 年 12 月 29 日の「不動産登記法」の改正により制度化された。

不動産の鑑定評価
韓国の不動産鑑定士は、「鑑定評価士」であり、国家資格である。不動産鑑定士を認証する機関は国土交通部である。また不動産鑑定基準を決定する機関も国土 交通部であり、鑑定評価基準として「不動産価格公示および鑑定評価に関する法律」、「鑑定評価に関する規則」、「鑑定評価実務基準」を発行している。
国土交通部のプレスリリースによると、2014年1月1日から施行されている「鑑定評価実務基準」は、国際鑑定評価基準を反映させた内容であるとされている。
法制度が確認できる

Webサイトの紹介

Ministry of Land, Infrastructure and Transport (MOLIT)
┗マスタープラン、都市開発計画などを所掌
■法制処「探しやすい生活法令情報 不動産/リース」(韓国語)
不動産事業を行う際

の免許制度

「公認仲介士法」(2014年)に基づく公認仲介士制度があり、登録を行った公認仲介士のみが不動産仲介業を行うことができる。公認仲介士になるためには資格試験に合格しなければならない。

 

2.韓国の不動産相続登記手続きの問題

当事務所は、従前より、在日韓国人が日本に銀行預金や不動産を残して亡くなった場合の相続手続きをサポートしてきました。

ただ、近時では在日韓国人が韓国に不動産を残して亡くなった場合の相続案件が増加しています。

例えば、韓国国内に土地やマンション等の不動産を残して韓国人の父が亡くなった場合、韓国の不動産相続手続きはどのようにしたらよいでしょうか。誰にどのような書類を用意して依頼すればいいのでしょうか。これは、簡単なようでかなり難しい問題です。

さらに進んで、韓国人であった日本人が日本に帰化し、ハワイやマレーシアに不動産を残して死亡した場合はどうでしょうか。もはや素人では解決できないレベルではないでしょうか。

 

3.韓国の不動産相続登記手続きの必要書類

 

韓国の不動産相続登記手続きには一般に、最低限以下のような書類が必要です。但し、ケースにより異なりますので、韓国の弁護士、韓国法務士等の指示に従って準備をする必要があります。

 

1、相続人のパスポート、免許証等の身分証明書、日本の住民票或いは韓国領事館発行の在外国民登録謄本

2、日本の印鑑証明書、日本の住民票とその翻訳文(相続人全員分)

3、韓国語で作成した遺産分割協議書(全相続人が署名したもの)の原本

4、被相続人の死亡が記載された基本証明書と家族関係証明書、除籍謄本等

5、韓国から帰化した相続人の場合、日本の原戸籍謄本、除籍謄本、日本の戸籍謄本全部とその韓国語への翻訳文

6、外国人登録原票の写しとその翻訳文(※必須ではありませんが、戸籍の状況によって必要です)

7、不動産登記用登録番号

韓国国籍で、日本の特別永住権者(韓国内に住民登録番号のない人)が初 めて不動産登記用登録番号を付与してもらうには韓国内裁判所(物件管 轄登記所)や出入国管理局に不動産登記用登録番号を申請することが必要です。

必要書類は申請書(所定の様式)、旅券、在外国民登録謄本(領事館発行)です。 不動産登記用登録番号は当日付与してもらえます。

 

4.在日韓国人の日本の不動産相続手続きの必要書類(例)

①被相続人に関する書類

• 相続関係図

• 不動産の登記済権利証書または登記識別情報

• 被相続人の基本証明書・家族関係証明書・婚姻関係証明書・入養関係証明書・親養子入用関係証明書(要日本語訳)

• 被相続人(死亡者)の住民票

• 被相続人(死亡者)の出生時から記載のあるすべての除籍謄本(要日本語訳)

• 被相続人の閉鎖外国人登録原票(登記簿上の住所からのつながりがつかない時)

 

②相続人に関する書類

・韓国から帰化した人が相続人の場合は、帰化時点の日本の戸籍謄本から現在までの戸籍謄本

• 相続人が韓国籍の場合は、基本証明書と家族関係証明書

• 相続人が日本国籍の場合は、日本の戸籍謄本

• 不動産を相続する相続人の住民票

 

③その他

• 相続する不動産の固定資産評価証明書

• 遺産分割協議書(※相続人全員の実印押印が必要)

• 相続人全員の印鑑証明書

 

5.当事務所のサービス

 

当事務所では日本の司法書士、弁護士、税理士、不動産鑑定士及び韓国の弁護士、法務士、会計士等と連携して、日本、韓国の橋渡し役として日本と韓国の不動産の相続手続きをサポートしております。

韓国の不動産の相続手続きでお困りの在日韓国人の方は、韓国語ができないからと諦める前にお気軽にご相談ください。

(参考)

在日韓国人遺産相続サポート:10万円(税別)~

※韓国の法務士の費用、登録免許税等は別途必要です。

 

韓国の不動産登記手続きのご相談、ご依頼は・・・

TEL:06-6375-2313(※相談予約制)

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